老前整理のナッジ13


  【人間関係から考える】





定年と片付けの関係

 老前整理の一環として、もの以外の部分にもあえて広げることをおすすめしています。具

体的にいうと、それはおつき合いの整理、棚おろしです。
 



年賀状


 人間関係でよくご相談があるのが年賀状です。まず、「何年保管すればよいでしょうか」

というお訊ねには、領収書と違いますので、きまりはありませんとお答えしています。逆

に、どうしてずっと保管しておられるのですかと訊き返します。

 年賀状だけに限らず、多くのものはなぜとってあるのかを考えられることなく、そのまま

眠っています。

 今までは気にならなかったけれど、老前整理をはじめてものを見直していくと、箱に入っ

た何年、何十年の年賀状の扱いをどうしようということになるようです。

 住所の確認のためならば二年分くらい保管しておけばよく、それ以上古いものは逆に住所

が変わっている可能性もあるでしょう。

 子どもの成長などがわかる、知り合いの家族の写真付きの年賀状が捨てられないならば、

写真付きのものだけ取っておけばよいわけです。

 毎年楽しみにしている木版の素敵な年賀状が大切ならば、それだけ残しておけばよいので

はないでしょうか。





 もう一つ、お困りの相談がありました。高齢になり年賀状を出すのが面倒になって辞めた

いが、どうすればいいだろうかという話です。

 この方は80代の男性で毎年300枚の年賀状を出しておられました。

そこで2つの方法をご紹介しました。1つは年賀状を出さないこと、簡単です。

 しかしこれが無理なくできるのならば、最初から悩むことはないでしょう。何十年も年賀

状のやり取りをしてきたのに、そんな失礼なことはできないと思われたら、2つ目の案で

す。

「今年限りで新年のご挨拶は遠慮させていただきます」と書いておくこと。そうすれば先方

は、察してくださるでしょう。また体調でも崩しているのかと心配して連絡をくださる方も

あるかもしれません。ありがたい思いやりには、感謝とともに本音をお話しになってみては

どうでしょう。もしかしたらその方も同じ思いを抱いておられるかもしれません。

 どちらかがやめなければ年賀状だけのやり取りがずっと続くのでしょうか。親しい人なら

相手の状況がわかりますが、普段会わない人だとわからないのです。難しいものですね。

 退職すると仕事関係の年賀状は年々減っていきます。そのことを寂しいと思う人、すっき


りしたと思う人など、人それぞれでしょう。




リストを作ってみる

 では、何から始めればよいかと戸惑われるでしょう。

まずは人間関係リストをつくってみましょう。

関係
名前

会いたい人

会えなくてもつながっていたい人  
(遠方などの諸事情)

一緒に旅行に行きたい人
食事や飲みに行きたい人
映画やコンサートに行きたい人
趣味の友人
ときめく人
入院したら知らせる人
その他
(c)くらしかる

  

                 

 こうして書き出してみるとどうでしょう? 友人が多ければよいというものではありませ

んが、気のおけない友人、グチをこぼせる友人、困ったときに相談できる友人があれば、心

強いと思いませんか。

 ここに、災害時に、(自分にできる範囲で)助けに行きたい人、逆に自分に何かあった時

に助けに来てくれそうな人は思い浮かびますか。

 宿泊を伴う旅行は、本当に気心の知れた親しい人しかできないでしょう。

 定年になったら夫婦で旅をしたいと思っておられる男性は多いかもしれませんが、妻も同

じ意見でしょうか。このようなこともよい機会ですので、ご夫婦で話しあってはいかがでし

ょうか。

 友人はお金で買えません。また年を重ねるほど、気の合う友人を見つけるのは難しくなり

ます。

 仕事が忙しいからと長年会っていない、幼なじみ、学生時代の友人や趣味のあう友人に近

況報告を兼ねて、連絡をとってみるのも、新たな発見があるかもしれません。

 こうして人間関係の棚おろしをすると、今後の年賀状もすべて出し続けるのか、考えるき

っかけになると思います。


『老前整理実践ノート』 『心と暮らしを軽くする「老前整理」入門』 

『老前整理の極意』より

 




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