【老前整理(R)とは】








 




 老前整理とは、老いる前に一度身の回りを見直し、これからの暮らしを考えてものの整理


と共に頭の整理をすることです。


 これは老いに備え、安全で快適な暮らしの準備をすることであり、ひいては「自分がどう


生きるか」につながります。


 ただ、ものを捨てれば良い、処分すれば良いということでは解決になりません。


 そこにはひとりひとりの歴史や思い出が詰まっているからであり、例え家族でも立ち入る


ことは難しいからです。


 そこで、元気なうちに、体力のあるうちに、もう一度暮らしを見つめなおし、どういう生


活をしたいかを考えた上で、モノの要・不要を自分で判断し、身軽になることが、精神的に


豊かな老後を迎える準備になるのではないでしょうか。


大切なのは誰かのためでなく、これからの「自分のため」ということです。


 定年や子どもの独立など、節目を迎えたときに今までの暮らしをリセットし、これからの


暮らしを考えませんか。






老前整理を始める動機


 老前整理をはじめる動機で、いちばん多いのは「余計なものを処分してすっきりしたい」


というものです。


これはもっともな話で、たとえ老前整理でなかったとしても、ものを片づけてすっきりした


いという人は多いものです。


次に多い動機は、「自分が死んだときに、家族に残すものをわかりやすくしておきたい」


いうことでした。


 三番目に多いのは、「使いたいものがどこにあるかわからず、探すのに時間がかかってし


まう時がある」です。


 どれか1つでも当てはまるのなら、老前整理を始めてみませんか


『心と暮らしを軽くする「老前整理」入門』より   


                                 







 老前整理は 気力、体力、判断力の三つが必要です。


 なぜこのような力が必要なのかと思われるかもしれませんね。


 第一の気力、これは「もの」の要・不要を決める、つまり何を処分するか「決断する」


とです。


「決断」と文字にすれば漢字二文字ですが、これがなかなか難しいのです。


「もったいない」とか「いつか使うかも」で、長年押入れや納戸に眠っているものを手放す


には、それなりの覚悟とエネルギーが要ります。


 これは考え方を変えるということでもあります。また思い出のある品を手放すのは、身を


切られるようにつらいという人も多いでしょう。


 しかし、つらくてもこれからの暮らしを考える。つまり決断は新しい未来を切り開くこと


につながるのです。


  第二は体力です。ものを動かすには力が要ります。今は元気で重いものを持ち上げられ


るとしても十年後、二十年後はどうでしょう。


 持てなくなってからでは遅いのです。


またひとり暮らしの人からよくご相談いただくのは、タンスや大きな家具を一人で外に運び


出せないということです。粗大ごみで決まった場所に出せば、市町村などの自治体に手数料


程度で持って行ってもらえるけれど、はたしてその場所まで運べるでしょうか。


 一人でタンスを動かすとか、二階から大きな家具をおろすとか、とてもんでおられる人も


多いようです。


 このようなひとり暮らしの老前整理について、もしかしたらわたしもいずれひとり暮らし



になる可能性があると思った方はありませんか。


 他人事ではなく、このようにわがことに引き寄せて考えられるのが、三つ目の力の判断力


です。認知症の心配ではなく、これから先のことを見通す力、現状を客観的にとらえられる


かどうかです。


 人間は永遠に生き続けることはできません。つまり誰もが、少しずつ老いていくというこ


とで、それを受け入れられるかどうかです。


『老前整理の極意』より  





                      

あなたはどのタイプ


 ここで判断力について私が考えた3つのタイプを紹介します。皆さんはご自分がどのタイ


プに当てはまると思いますか。考えてみてください。


 設定―山に登っていて突然、上から小さな石ころがコロコロと転がってきたとします。




A、「あれ、おかしいな、もしかしたら崖崩れか何かで大きな岩が落ちてくるかもしれな

   い」と、すぐ安全な場所に避難する。

B、「これくらい平気平気、問題ない」と登り続け、ドドドと土煙を上げて落ちてくる岩を 
   見て、大変だぁ〜と慌てて逃げる。

C、小石どころか、岩が落ちてきているのにもかかわらず、「自分には当たらない」とたか

  をくくり登山を続け、痛い思いをしないとわからない。

 いかがでしたか。つまり判断力とは、小石が落ちてきた時点で危ないかもしれないと考

え、行動できる力です。

 また、片づけなければならない「ものの量」を登山の難易度だと仮定してみましょう。

 山は早めに登り始める方が楽なのです。なぜなら片づけるものが少ないからです。

 この山は現実の山と違って、先延ばしにすればするほど、より高くなり、ものは増え、山

の難易度は上がります。最後はエベレストになるかもしれません。

 エベレストになると単独登山は難しく、シェルパと呼ばれる山岳ガイドの助けが必要にな

ります。これと同じで、エベレスト級のものを片づけるには助けが必要になるということも

頭に入れておいてください。
 

『老前整理の極意』より  

         

            




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